2010年11月10日

ふたつの“トリニティ”

諸事情で、この半年、すっかりツイッターばかりで、
ブログ更新をすっかりさぼっておりました。

今回からまた、ブログ更新を復活します。
夏ぐらいから現在にかけて、ツイッターサイトのほうでお知らせしたことを、この機会にブログにもまとめておこうと思います。

すっごく、今更な情報もありますが、どうかご容赦くださいませ。

この2010年のJGCも盛況だったとのことで、またたくさんのテーブルトークRPGや関連書籍がその前後に発売されました。
私は(残念ながら)この夏も、テーブルトークRPG開発に本格的には携わっていなかったのですが、ちょっとしたご縁で関わらせていただきました作品がありました。

『ビーストバインド トリニティ』
著:井上純弌・重信康 F.E.A.R エンターブレイン・刊
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三たび顕われし、ヒトと魔の物語。最新作『ビーストバインド トリニティ』(中央・2010年)、矢野俊策先生システムデザインによる『ビーストバインドNT』(右・2004年)、旧約『ビーストバインド』(左・1999年)。藤浪は『旧約』でシステムデザインを担当しました。11年前、井上純弌さんやスタッフの皆さんと過ごした熱い夏でした。

1999年の『ビーストバインド』(後にいう旧約)、2004年の『ビーストバインド NEW TESTAMENT』(以下『NT』)に続き、三たび登場となった『ビーストバインド』の新作です(以下『BBT』)。
かの井上純弌さんによるテーブルトークRPGで、プレイヤーキャラクターはすべて魔物……しかもヒトと魔のはざまにある「半魔」となり、「エゴ」と「絆」の葛藤のなか、戦い続けることになります。オーソドックスな「吸血鬼」「人狼」からはじまって、「天使や悪魔」「精霊や自然神」「実体化した都市伝説」「心を持ってしまった機械・意思の宿るアイテム」「外宇宙からの来訪者」など、あらゆる存在を“魔物”と定義して、キャラクターとすることができます。
『BBT』は、井上純弌さんと、新進気鋭のデザイナー・重信康さんの強力タッグによる作品。重信さんは『旧約』『NT』をユーザーとしてプレイしてきた世代のクリエイターのかたで、『BBT』で「『旧約』『NT』を踏まえた、集大成的な作品」を目指されたようです。そのようなコンセプトであったため、私も、1999年の『旧約』スタッフの一員として、データ提供などで、同じく旧約スタッフの海法紀光さんともども、協力させていただきました。
製品となった『BBT』を見て「地獄の道化師」や〈鬼の念仏〉、ジュリアス湯田や“影の英国”……最新のゲームシステムのなかで蘇った懐かしい存在、あるいは齢を重ねたNPCたちを目にして、しばしこの夏は感慨にふけっていました。
 今後も、かつてのスタッフの一員、そして1TRPGファンとしてこの作品を応援するつもりでおります。

『南極大戦 Tower×Vabel』
原作:是空とおる 著:三輪清宗 ビジュアライズ:合鴨ひろゆき ジャイブ・刊
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コミック、リプレイと連動展開した4年にわたる『トリニティ×ヴィーナス』の「最終決戦」サプリメントである『南極大戦』。
ちなみに、とけねこ先生はリプレイ版の、レンさんのファンです(←誰も聞いてません)。


コミック『トリニティ×ヴィーナス』と同時展開。4年にわたる展開を見せたテーブルトークRPG『トリニティ×ヴィーナスSRS』。その「最終サプリメント」にあたる『南極大戦』。
コミック、TRPGで語られた〈物語〉。その最後の決戦をシナリオ化。物語の結末をプレイヤーたちに委ねるという、意欲的な内容なのですが、同書に『トリニティ×ヴィーナスSRS』のゲームデザイナー・三輪清宗さんによる『トリニティ×ヴィーナスSRSライト』が収録されています。これは、キャラクター作成から含めて「1時間でプレイできる」TRPG。

「1時間でプレイできるTRPG」が必要なのではないかと、我が尊敬するゲームデザイナー・鈴木銀一郎さんも提唱されていますが、この『SRSライト』は、『トリニティ×ヴィーナス』の展開の一環として「実際に声優さんにTRPGをプレイしてもらい(それを抜粋するのではなくそのまま)CDドラマ化する」という、是空とおるさんの意欲的な企画と連動して、2009年のJGCで予告されていた作品とのことです。

そのゲームシステムである『SRSライト』の「協力」という形で、藤浪もクレジットさせていただいているのですが……これについて、この場を借りて記しておきますが『SRSライト』は、すべて三輪清宗さんの手によるデザインで、藤浪は実作業には関係しておりません。
なんでも藤浪がかつてデザインした作品(TRPG風ボードゲーム『冒険者入門』など)に影響を受けたとのことで、本システム掲載にあたって連絡をくださったのです。
『SRSライト』は、私自身の目で見ても「三輪清宗さんのまったくのオリジナル作品」に他ならなかったのですが、そのようなご縁で連絡をいただけたのは名誉でもあり、クレジットに名を載せていただいた次第です。

『SRSライト』は――そのような事情は全く抜きにして――実に驚くべき内容でした。決して「実験的なアイデアの産物」というわけではなく『トリニティ×ヴィーナスSRS』での蓄積・経験が礎になっているのだと思います。
『トリ×ヴィ SRS』には、他システムでも定評ある「シナリオクラフト(ランダムチャートによるシナリオ生成を洗練したシステム)」や、独創的な「フェイズワーク(調査活動やトラップ解除、説得・交渉などといった行動を、臨場感のある形で手順化)」などの、様々なシステムが搭載されているのですが、それらの要素をセンスよく(そして大胆に)シンプルにまとめ、「1時間プレイ」を実現する内容となっている……と、私は思います。

実に正直な話をすると、私自身、これを目にして、ゲームデザイナーの端くれとして色々刺激を受けました。この作品を読みこんでいくうちに(失礼を承知で書きますと)、ひさしぶりにTRPGのゲームデザインへの情熱が燃え上がってまいりましたよ!

そういった意味からも、三輪清宗さんには感謝している次第です。
ありがとうございました。

以上、この夏に発売されたテーブルトークRPGの新作。
ここに書いた通り、とけねこ先生は実作業には全く関わっていないですが(苦笑)、
どちらも大変素晴しい作品ですので、興味があるかたは、ぜひ見てくださいませ。

『ビーストバインド トリニティ』公式サイト
『トリニティ×ヴィーナスSRS』公式サイト

……さて、テーブルトークRPG関連のことを書いただけで、すっかり長くなってしまいました。

実は、とけねこ先生もこの夏ゴロゴロしていたわけではなく、今月発売となる新作のゲームブックを執筆していたのですが、そのことは次の記事に書くことにします。


posted by とけねこ(藤浪智之) at 23:58| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | TRPG・アナログゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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